恵林寺(ERINJI)

恵林寺

恵林寺の歴史

武田信玄の葬儀が執り行われた菩提寺

恵林寺は武田信玄の菩提寺として知られています。元徳2年(1330年)、臨済宗の僧 夢窓疎石(むそうそせき)によって開かれました。臨済宗妙心寺派の古刹ですが、もとは円覚寺派で関東準十刹の寺格を有していたといいます。

天正10年(1582年)、甲斐へ攻め入り武田を滅ぼした織田軍は恵林寺をも焼き討ちしました。すでに信玄によって招かれていた臨済宗の僧 快川紹喜(かいせんじょうき)は、⌈安禅必ずしも山水をもちいず、心頭滅却すれば火も自ら涼し⌋という有名な句を残して他の僧とともに焼死したと伝えられています。

灰燼に帰した恵林寺でしたが、信長亡き後に甲斐を領した徳川家康の命によりのちに再建されました。

四脚門が立っています。
徳川家康によって再建された四脚門です。1606年に建築されたと考えられ、国の重要文化財に指定されています。
恵林寺の開山堂です。
三門をくぐって正面に見えるのが開山堂です。夢窓疎石、快川紹喜、末宗瑞曷の三像が堂内に安置されています。

恵林寺の見どころ

三門に見られる快川紹喜の残した言葉

恵林寺の入口にある黒門から入って参道を進むと見えてくるのが四脚門(赤門)です。徳川家康が再建したと伝わるもので、そのたたずまいに歴史を感じます。

四脚門をくぐり庭園を横目に進んでいくと次なる門が見えます。県文化財にも指定される三門です。三門には織田軍の兵火に包まれ壮絶な火定を遂げた快川和尚の遺偈が掲げられています。

三門の先にあるのは開山堂です。堂内には夢窓疎石、快川紹喜、末宗瑞曷(まっしゅうずいかつ)の三像が祀られています。末宗瑞曷は、天正10年(1582年)に全山焼かれた後、徳川家康に命じられて恵林寺を再興した僧です。

拝観受付となっている庫裡から本堂に入って、うぐいす廊下を抜けると明王殿に武田不動尊が安置されています。その裏にあるのは、信玄の墓です。

また、本堂の裏には夢窓疎石が築庭したと伝わる池泉回遊式庭園が広がっています。廊下から庭園を眺めていると、自然と心が静まっていくようです。

境内の信玄公宝物館では武田氏、とくに信玄に関する資料・指定文化財を公開しており、武田ファンならずともチェックしておきたいところです。

恵林寺の大庫裡です。
大庫裡は開山堂の右奥にあります。拝観受付がありますので、拝観料を払って進みましょう。
恵林寺庭園です。
本堂から見る恵林寺庭園は一見の価値ありです。国指定の名勝となっています。

恵林寺の観光情報・交通アクセス

恵林寺の観光情報

住所 山梨県甲州市塩山小屋敷2280
拝観時間 8時30分~16時30分
休館日 なし
拝観料 大人300円 小学生~高校生100円
∗20名以上で割引あり
∗信玄公宝物館との共通券もあり
駐車場 あり

恵林寺への交通アクセス

路線バスにて

JR中央本線 塩山駅南口より

甲州市市民バス窪平・西沢渓谷線⌈恵林寺⌋にて下車、徒歩すぐ

自動車にて
中央自動車道 勝沼ICより20分前後

恵林寺周辺の観光スポット

  • 武田氏館跡(躑躅ヶ崎館跡)です。

    武田氏館跡(躑躅ヶ崎館跡) 住所:山梨県甲府市古府中町2611

    かつて武田氏三代(信虎・信玄・勝頼)の居館があった場所です。武田氏館は躑躅ヶ崎の西方にあったことから躑躅ヶ崎館とも呼ばれていました。館跡には現在、信玄を祭神とする武田神社が創建されています。
  • 甲斐善光寺です。

    甲斐善光寺 住所:山梨県甲府市善光寺3-36-1

    甲斐善光寺は、川中島の合戦に際して信濃善光寺の消失を恐れた信玄が御本尊善光寺如来などを甲斐に移し創建した古刹です。金堂、山門ともに重要文化財に指定されています。
  • 信玄の隠し湯

    山梨県内には現在も、信玄ゆかりの隠し湯が数多く存在しています。信玄も愛した隠し湯で、日頃の疲れを癒してはいかがでしょうか。