武田氏館(TAKEDASHI YAKATA)

武田氏館 DATA

  • 別名 : 躑躅ヶ崎館
  • 築城年 : 永正16年(1519年)
  • 築城者 : 武田信虎
  • 城の種類 : 平城
  • おもな城主 : 武田氏

武田氏館の歴史

武田信虎が築いた武田氏3代の本拠

武田氏館(躑躅ヶ崎館)は、永正16年(1519年)に武田信玄の実父である信虎が築いた居館です。信虎が石和からこの地に館を移して以来、武田氏館は3代(信虎・信玄・勝頼)にわたって約60年間、武田氏の本拠となりました。

なお、この居館は躑躅ヶ崎館という別名でも知られていますが、これはこの居館が躑躅ヶ崎の西方にあったところから後世この別称を用いたと伝えられています。館の背後にある要害山には、有事の際の詰城として要害山城も築かれていました。

天目山を目前に武田氏が滅亡したのちも、豊臣秀吉の命で甲府城(舞鶴城)が築城されるまでの間、武田氏館一帯は国の政治的・経済的中心地であり続けたといいます。

大正8年(1919年)、武田信玄の偉業を偲んで、かつて躑躅ヶ崎館の主殿があったと考えられる場所に⌈武田神社⌋が創建されました。武田神社では、武田信玄を祭神として祀っています。

~ 武田氏館(躑躅ヶ崎館)にまつわる逸話 ~

武田神社の社務所前にある⌈名水・姫の井戸⌋と呼ばれる古井戸は、信玄の息女誕生の際に産湯に使用されたと伝えられています。

武田氏館跡には武田神社が建立されています。
武田神社には勝運の御利益があるといいます。まずは拝殿へ参拝しましょう。
武田神社の拝殿です。
参道正面の拝殿は荘厳です。一年を通じて多くの人が参拝に訪れます。

武田氏館の見どころ

復元された堀・土塁や枡形虎口など

武田氏館(躑躅ヶ崎館)は信虎が築いた居館ですが、信玄の手によって、主郭部(東曲輪・中曲輪)のほかに西曲輪、北曲輪などを備える連郭式の城へと強化されました。館跡には現在も石垣や土塁、堀が残されており、往時の面影を見ることができます。

主郭部東側の大手門前には馬出しが設けられ、西曲輪があった場所では桝形虎口の跡が見られます。館跡を囲む広い水掘や大規模な空堀も、武田氏館跡の見どころの一つです。

躑躅ヶ崎館跡に創建された武田神社には⌈勝運⌋のご利益があると言われ、正月には県内外から多くの参拝者が訪れ賑わいます。また毎年、信玄の命日である4月12日には盛大に例祭が執り行われます。神輿や騎馬行列もあり、参道は見物客でにぎわいます。

神社本殿前の拝殿東側にある宝物殿には、武田家ゆかりの鎧や太刀、古文書などが数多く展示されています。なかでも、三條家より寄進された⌈吉岡一文字⌋の太刀は、国の重要文化財に指定されています。⌈信玄の軍扇⌋や⌈武田二十四将図⌋なども展示されており、一度は見ておきたい宝物ばかりです。

社務所の前には武田水琴窟(すいきんくつ)があります。
琴の音にも似た音色が響くという水琴窟。竹筒に耳を寄せて聞いてみましょう。
武田氏館跡を散策してみましょう。
堀と森に囲まれた武田氏館跡では、秋には木々が鮮やかに色づきます。

武田氏館の観光情報・交通アクセス

武田氏館跡(躑躅ヶ崎館跡)の観光情報

住所 山梨県甲府市古府中町2611
開館時間 日中随時
宝物殿は9時~16時30分
休館日 なし
入館料 なし
宝物殿は、高校生以上300円 中学・小学生150円
∗30名以上で団体割引あり
駐車場 武田神社参拝者向け駐車場あり

武田氏館跡(躑躅ヶ崎館跡)への交通アクセス

電車にて
JR甲府駅下車、徒歩30分
路線バスにて

JR甲府駅より

山梨交通⌈武田神社⌋にて下車、徒歩すぐ

自動車にて
中央自動車道 甲府昭和ICより20分前後

武田氏館周辺の観光スポット

  • 甲斐善光寺です。

    甲斐善光寺 住所:山梨県甲府市善光寺3-36-1

    甲斐善光寺は、川中島の合戦に際して信濃善光寺の消失を恐れた信玄が御本尊善光寺如来などを甲斐に移し創建した古刹です。金堂、山門ともに重要文化財に指定されています。
  • 恵林寺です。

    恵林寺 住所:山梨県甲州市塩山小屋敷2280

    恵林寺は、信玄が菩提寺と定めた臨済宗の古刹です。県文化財に指定される三門には、快川紹喜(かいせんしょうき)の遺偈が掲げられています。境内の信玄公宝物館では、武田家とくに信玄に関する資料・指定文化財を公開しています。
  • 積翠寺です。

    積翠寺 住所:山梨県甲府市上積翠寺984

    積翠寺は、奈良時代の高僧 行基によって開かれた臨済宗の寺です。身重の大井の方(武田信虎の正室)が要害山城に向かう途中、積翠寺にて信玄を産み落としたと伝えられています。寺の境内には現在も、信玄の産湯を汲んだと伝わる井戸が残されています。近隣には信玄の隠し湯と伝わる積翠寺温泉があります。
  • 大泉寺です。

    大泉寺 住所:山梨県甲府市古府中町5015

    大泉寺は信玄の父 信虎の菩提寺です。天正2年(1574年)、信虎は信濃・高遠で病没し、その葬儀は勝頼によって大泉寺で執り行われました。境内には信虎の墓があり、県史跡に指定されています。大泉寺には、信玄の弟であり武人画家として名高い武田逍遙軒信綱(たけだしょうようけんしんこう)によって描かれた武田信虎画像が所蔵されています。
  • No Image

    雲峰寺 住所:山梨県甲州市塩山上萩原2678

    雲峰寺には、武田氏滅亡後に家臣によって持ち運ばれた数々の遺品が伝えられています。甲斐源氏の嫡流たる証として伝わる日ノ丸之御旗(ひのまるのみはた)や、風林火山で有名な孫子の旗、諏訪法性(すわほっしょう)の旗など、武田氏ゆかりの貴重な品々です。これらは境内にある宝物殿に展示されており、間近に見ることができます。
  • 信玄の隠し湯

    山梨県内には現在も、信玄ゆかりの隠し湯が数多く存在しています。信玄も愛した隠し湯で、日頃の疲れを癒してはいかがでしょうか。