駿府城(SUNPU CASTLE)

駿府城 DATA

  • 別名 : -
  • 築城年 : 天正13年(1585年)
  • 築城者 : 徳川家康
  • 城の種類 : 平城
  • おもな城主 : 徳川氏、中村氏

駿府城の歴史

大御所 徳川家康が晩年を過ごした城

駿府城の歴史は、徳川家康が築城を始めた天正13年(1585年)にさかのぼります。当時の駿府城は二ノ丸までしかなく、現在の城跡と比べひと回り小さなものでした。

新たな居城として駿府城を築いた家康でしたが、小田原征伐を経て関東への移封(国替え)を豊臣秀吉より命じられます。新たに駿府城の城主となったのは、豊臣家臣の中村一氏でした。

時は流れ、征夷大将軍となって江戸幕府を開いた家康は慶長10年(1605年)、将軍職を嫡男 秀忠に譲ります。そして自らは大御所となって駿府へ隠居しました。

この時期、駿府城はそれまでよりひと回り大きく拡張・修築されています。これは、全国の大名に命じて行わせた天下普請(てんかぶしん)によるものです。

徳川家康は元和2年(1616年)、駿府城で亡くなりました。享年75歳。遺体は久能山東照宮(静岡市駿河区)に埋葬されたといいます。

その後、駿府城は徳川頼宣と徳川忠長の居城となった時期を除き、幕府直轄の番城となりました。

~ 駿府城にまつわる逸話 ~

駿府城には築城当初から天守閣が備えられていましたが、家康の隠居に伴い城の大改修を始めた慶長12年(1607年)、失火により焼失してしまいました。その3年後には五層七重の天守閣が再建されましたが、家康の死後再び焼失。以後は再建されませんでした。

駿府城跡の石垣です。
駿府城跡で発見された石垣の多くに刻印が見られました。その数300以上ともいいます。
本丸掘が公園内に残されています。
三重に巡らされていた堀のうち、一番内側の堀(本丸掘)が発掘調査によって姿を現しました。

駿府城の見どころ

東御門と巽櫓、坤櫓が復元されている

駿府城は外堀・中堀・内堀の三重の堀をもつ典型的な輪郭式の平城です。現在、駿府城跡は駿府城公園として整備されており、東御門(ひがしごもん)と巽櫓(たつみやぐら)、坤櫓(ひつじさるやぐら)が復元されています。

東御門は二ノ丸東側の主要な出入り口となっていた枡形門です。高麗門と櫓門、多聞櫓で構成されていました。巽櫓と坤櫓はその名のとおり、二ノ丸の巽(南東)の方角と、坤(南西)の方角にそれぞれ建てられていた櫓です。

東御門と巽櫓は連結しており、内部では駿府城に関する興味深い展示を目にすることができます。坤櫓の1階部分にも入って展示を見ることができますが、東御門・巽櫓と別に入館チケットが必要です。

駿府城公園の中心には徳川家康の像が立っており、その脇には家康手植えと伝わるミカンの木が植えられています。このあたりが本丸のあった場所です。その北西には天守台がありました。(現在は案内板が立っているのみです。)

公園の北東には駿河の国の名勝を織り込んだ紅葉山庭園が造営されています。日本の伝統美に関心のある方はぜひどうぞ。

駿府城の東御門です。
復元された東御門は駿府城公園の出入口です。東御門橋を渡り、高麗門をくぐると右に櫓門が、正面と左には多聞櫓が配されています。
坤櫓も復元されています。
坤櫓は二ノ丸の南西隅にあった櫓です。見張り場としての役目とともに武器庫としても利用されていました。

駿府城の観光情報・交通アクセス

駿府城(駿府城公園)の観光情報

住所 静岡県静岡市葵区駿府城公園1-1
開館時間 駿府城公園 : 随時
東御門・巽櫓、紅葉山庭園 : 9時~16時30分
坤櫓 : 9時~16時30分(入館は16時まで)
休館日 東御門・巽櫓、紅葉山庭園 : 月曜日(祝日・休日にあたる場合は営業)、12月29日~1月3日
坤櫓 : 月曜日(祝日・休日にあたる場合は翌日)、12月29日~1月3日
入館料 東御門・巽櫓 大人200円、小人50円
紅葉山庭園 大人150円、小人50円
東御門・巽櫓、紅葉山庭園共通券 大人300円、小人80円
坤櫓 大人100円、小人50円
∗東御門・巽櫓、紅葉山庭園は30名以上で団体割引あり
駐車場 なし(周辺の民間駐車場を利用)

駿府城(駿府城公園)への交通アクセス

電車にて

JR静岡駅下車、徒歩15分

静岡鉄道 新静岡駅下車、徒歩10分

自動車にて

東名高速道路 静岡ICより20分前後

新東名高速道路 新静岡ICより25分前後

駿府城周辺の観光スポット

  • 久能山東照宮です。

    久能山東照宮 住所:静岡県静岡市駿河区根小屋390

    駿府城で亡くなった徳川家康の遺体は、遺命により駿府城から10㎞も離れていない久能山に葬られました。社殿は二代将軍 秀忠の命により元和3年(1617)年に建立され、家康公が祭神として祀られています。境内の博物館では徳川家康所用の刀剣・甲冑など貴重な宝物を目にすることもできます。
  • 静岡浅間神社です。

    静岡浅間神社 住所:静岡県静岡市葵区宮ヶ崎町102-1

    静岡浅間神社は神部神社、浅間神社、大歳御祖神社の三社からなる当地方最古の神社です。今川氏、武田氏、徳川氏をはじめ多くの崇敬をあつめてきました。人質として駿府で育った家康は、当神社のあたりで遊んでいたといいます。江戸後期に建てられた社殿26棟は国の重要文化財に指定されています。